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60代になって体力が落ちて愕然としたなんてことありませんか??

40代、50代のうちは体力が落ちたことを感じても、さして日常生活まで影響が出るなんてことは少ないですよね。


でも、実はこの時から体力・筋力の低下は進んでいます。進んでいますが、日常生活に支障がない程度の体力・筋力の低下なので、生活に困ることはないだけです。


そんな体力・筋力が同年代と比較して自分はどの程度なのか?どのくらい低下しているのか?など、解説していきたいと思います。


この記事を読み進めると自分が同年代と比較したときに、どの程度の体力なのかがわかると思います。


【年代別筋力の平均値~握力編~】

握力は全身筋力と相関があり、握力が低下していると全身筋力が低下してきているということに繋がります。ですので、握力の低下がみられる場合は、全身的に筋力が落ちてきていると評価できるので、握力を定期的に測ることはとても大事なことです。

サルコペニアの診断基準では男性28kg未満、女性18kg未満と規定されています。

この基準を下回るような場合は、サルコペニアの可能性が高くなります。また諸説ありますが、ペットボトルの蓋を開けられなくなる握力は10.5kg以下だと言われています。

この数値よりも高く保っておくことが日常生活を自立して過ごすうえで必要になってくる握力だと言えます。


【年代別筋力の平均値~下肢筋力編~】

下肢筋力の評価法としてCS‐30テストという評価法が用いられることがあります。この評価法は簡便で、どこでも気軽にできる下肢筋力の評価法として用いられています。

この評価法は単純に筋力(筋出力)だけではなく、筋出力と速度が必要な評価法で、筋パワーと言われる要素がわかるテストになります。

このテストは年代別に平均値が示されています。

男性も女性も普通の評価より低い方はロコモティブシンドロームに近づいていると思って良いと思います。

CS‐30テスト(30秒椅子立ち上がりテスト)実施方法

①40cmの高さの椅子を用意する
②足を肩幅に開き、立ち上がりやすいように椅子に座ります。
③両手は胸の前で組みます。
④開始の合図で立ち上がり膝がしっかり伸展するまで伸ばし、元の姿勢に戻ります。
⑤座面にお尻がつくまでしっかりと膝を曲げ座ります。
⑥この動作を30秒間なるべく早く続けます。
⑦膝が伸びていなかったり、座面にお尻がついていなかった場合はやり直しします。



【年代別持久性体力の平均値~1分間足踏みテスト~】

全身持久力(体力)を評価する方法として1分間その場足踏みテストがあります。このテストでは全身持久力・心肺機能がわかり、酸素を効率よく使える身体機能かどうかを測定することができます。


1分間その場足踏みテスト実施方法

①安静時の心拍数(1分間)を測定する(15秒間の脈拍を測定して4倍する)
②その場で普通に足踏みを1分間実施(120bpmのテンポで:1秒に2回)
  ※スマホやiPhoneで”メトロノーム”アプリをダウンロードすると良いですよ。
③運動後5秒後に脈拍の測定をする
④測定した脈拍を下記の数式に当てはめ評価する

運動後脈拍数ー安静時脈拍数/(220ー年齢)ー安静時心拍数×100=評価値


全身持久力が高いということは最大酸素摂取量が高く酸素利用能力が高いということ。酸素を利用する能力が高いということは脂肪をエネルギーとして燃焼するときのエネルギー効率が良いということなので、脂肪をたくさん燃焼してくれる体質でもあると言えます。

全身持久力高い=最大酸素摂取量高い=酸素利用能高い=脂肪燃焼効率高い

また脂肪をエネルギーにできるということは、疲れにくいからだであったり、疲労感を感じにくいからだであるとも言えます。ウォーキングやジョギングなどをしても長い距離が歩けたり、走れたりするということです。

全身持久力が高い=疲れにくいからだ


【3つの体力測定でわかること】

・握力測定

握力測定では握力と全身筋力を推測できます。ですが、全身筋力は数値として出てくるわけではないため、維持傾向なのか、低下傾向なのか、向上傾向なのかという傾向を把握することに役立ちます。

・CS‐30(30秒椅子立ち上がりテスト)

CS‐30テストでは下肢筋力(下肢筋出力と下肢筋パワー)を評価することができます。同年代と比較したときに、自分はどのレベルなのか?どの程度、筋力が低下してきているのか?を把握することができます。

・1分間足踏みテスト

1分間足踏みテストは全身持久力(体力)を把握することができます。これは酸素利用能力を推測することができ、心肺機能の低下を推測することができます。易疲労性(疲れやすい)などの症状とともにエネルギー代謝機能の低下などとも関連があります。


【まとめ】

体力テストは自分がどの程度の体力なのか?筋力なのか?そんな気付きを与えてくれる材料として役立ちます。日常生活に支障が出てしまったり、身体に悪い影響が出てしまってからでは、改善するためのトレーニング(全身持久力を上げたり、筋力を上げたり)をすることに大変な努力を必要とすることがあります。

楽しく運動やトレーニングをできる人にとってはさして努力は必要がないことかもしれませんが、運動が苦手であったり、嫌いであったりすると、運動を実践するまでのハードルが好きな人とは比較ができないほどに高く感じるのではないでしょうか。

だからこそ、日ごろの生活習慣からちょっとの工夫で体力を落とさない習慣を身に着けたり、やりたくない運動を極力少なくして、ちりも積もれば山となる方式で積み重ねることで、高齢期の体力を温存していくことも必要だと思います。

そのために日本人の1日の平均歩数~日本人の目標歩数程度は1日の習慣として行っていくことで、筋力の低下を緩やかにすることができます。《筋力を落とさないためにオススメしているある生活習慣》の記事を参考にされると良いと思います。


では、今回はこの辺で\(^o^)/ フィジカルトレーナーの金盛智也でした!!

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